私は長い間無職で、貯金を切り崩す生活をしていました。
そんなにお金を持っていなかったので、「とにかく働かなければ」という気持ちはあったのだけれど、
年齢のせいなのか、それとも私の経歴に問題があったのかは、わかりませんが、
求人に応募しても、書類選考すら通らず、面接もしてもらえない、
面接してもらっても、なかなか返事をもらえず、待たされた末不採用ということが続いていました。
「不採用ならその場で断ってくれたほうがよっぽどいいのに」、と思いながら、
「もう私には働く場所などないのではないのか」と、不安な日々を送っていました。
そんな時にある転職サイトからスカウトがきました。
スカウトは嬉しかったけれど、とにかく職場が遠い。
調べたらどう考えても2時間はかかってしまうようなところでした。
でも、「背に腹は変えられず」というのはこういうことを言うのでしょうか?
面接だけ受けてみました。
断るつもりでいたのですが、通勤費も考えてくれるというので、結局私は行くことにしました。
定期代だけで30,000円以上する場所なののですから、
私の家は駅から少し離れていて、道の混み具合はありますが、車で15分くらいはかかります。
そして、その職場というのも歩いて15分はかかる場所にありました。
電車に乗っている時間が1時間半、やっぱり2時間かかりました。
「通勤時間が長い人は幸福度が低い」というネット記事を読みました。
最初は私は本を読んだり、ネット記事を読んだり、「何か勉強になるな」とか思っていたのですが、
だんだん日がたつにつれ疲れてきました。
そして、気が付けば「通勤時間が長いのはどうなのか」とか「平均通勤時間はどれくらいなのか」とか、そんなことばかり検索をしていました。
通勤費も問題もありました。
運良く、仕事が始まる時間が少し遅かったので、いつも電車では座れたのですが、定期代が半分も出ない。
考えてくれると面接では約束してくれたのに、雇い主は「これ以上は無理です」と、私は何度交渉をしましたが聞いてもらえませんでした。
仕事が始まる時間が遅いということは、仕事が終わる時間も遅いので、私の家の最寄り駅まで自転車で行っても良かったのですが、真っ暗な中、自転車で帰ることを考えると、どうしても駅まで車になってしまいました。
最寄り駅の近くの駐車場に車を置いて、電車に乗るのですが、毎日のことになると駐車場代もバカになりません。
月極めの駐車場を借りても良かったのですが、駅の近くにはなくて、少し歩かなければなりませんでした。
それも、1か月そこそこの値段もして、だから私は毎日お金を払って車を駅の近くの駐車場に停めていました。
雨の日などは駅の近くの駐車場は満車ばかりで、仕方がないので、駐車場のたくさんある次の駅まで車で行っていました。
雨の日は道も混むので、時間がかかり、それだけで疲れてしまいました。
そして、次の駅は最寄り駅より大きな駅なので、駐車料金も高いのです。
もう、自分が何をしているのかわからなくなりました。
だから、通勤費だけで、50,000円はかかっていたと思います。
3分の1の通勤費ももらえなかったので、それも私のストレスでした。
往復2時間かけ、通勤費はほぼ自腹。
早く帰りたいのに、やたら電車は遅れるし、
かと言って、職場の近くに引っ越しなどできません。
私は一人暮らしなのですが、大人の事情で持ち家なので、独身の若い子のように家をあけることができなかったのです。
●通勤時間だけが一人の時間
●資格の勉強ができる
●定期があるから途中下車できて、寄り道できて楽しい
●飲み会を断りやすい
いろいろ、通勤時間が長いことについてメリットを感じている人はいる思うのですが、私にとってはデメリットしかありませんでした。
●通勤費はほぼ自腹。駐車場代も含め
●やたら電車が遅れるから、少し早めに家を出なければならない
●職場が駅から遠かったので、もちろんバスに乗ることもできましたが、バス代もバカにならないので、往復30分歩く。最初は運動だと思って、歩いていましたが、だんだん、ただの苦痛にしかならなくなった
●帰りが遅いので寝る時間が短くなり、とにかくいつも眠かった
●夜、職場の最寄り駅にはやたら酔っ払いがいて、とにかく私はいつもイライラしていた
などなど他多数。
気が付けば1日4時間がすごく無駄に感じて、「4時間あったら他にバイトできるやん」とか考えるようになっていました。
例えば、時給1,000円のバイトを1日4時間、週5日すれば週に20,000円になります。
1か月続ければ、月に80,000円。
せこい話になるかもしれませんが、そんな計算までするようになっていました。
たまたま職場に駐車場があったので、電車に乗るのが嫌な時は車で行ったこともありますが、往復約150キロもありました。
高速代もバカにならないからと思い、できるだけ下道を走ったら、3時間近くかかるという、とんでもなく疲れることになり、
高速を走れば、もう少し早く着くし、帰れるけれど、なにせ片道約3,000円、ガソリン代を入れれば、もう目も当てられない状態になっていました。
通勤時間が長いのは、私にとっては何も良いことはありません。
「慣れれば、大丈夫」という人もいるけれど、私は全然大丈夫ではありませんでした。
ただの「不幸の始まり」です。
「幸福度」はダダ下がりです。
今、私は「うつ状態」と診断され、休職をしています。
「通勤時間が長い」「通勤費がまともに出ない」ということがストレスで、「うつ状態」になってしまった原因のひとつだと思っています。
もし私と同じ状況で悩んでいる方へ、私の経験が少しでも参考になればと思っています。